サマリー
- 病原体の特徴
- 起炎病原体:Coccidioides immitis
- 二形性真菌
- 培養すると感染の危険が大きい→培養禁忌
- 分類と潜伏期間
- 肺感染や全身感染
- 潜伏期:1~4週間(既感染の再燃あり)
- 感染経路
- 経気道的
- 実験室、検査室内での感染事故が多い
- 臨床症状
- 感冒様症状
- 咳嗽、喀痰
- 発汗、発熱
- 頭痛
- 呼吸困難、胸痛
- 体重減少
- 疲労感
- 食欲不振
- 関節痛
- 結節性紅斑、多形滲出性紅斑
- 感冒様症状
- 検体の種類および採取法
- 検体の種類
- 培養は危険性が高いため原則的に禁忌
- 抗体測定、病理組織学的検査が優れている
- 生検は肺、皮膚病変など
- 抗体検査を目的に、血清あるいは髄液採取
- 病理検査を目的にTBLB, VATS,皮膚生検など
- 検体の種類
- 検体の輸送法
- 菌は輸送不可
- 血清は冷凍で輸送
- 病理組織は常温で輸送
- 培養を目的とする検体は冷蔵で輸送(特殊な場合のみ可)
- 微生物学的検査法
- 塗抹染色(Grocott染色など)
- 特徴的な球状体を確認(micropsheruleなどと要鑑別)
- 30-37℃培養で特徴のない糸状菌の発育を見るが感染力強く危険→培養不可。培養してしまったらそのまま直ちに滅菌
- 血清抗体価検査
- 塗抹染色(Grocott染色など)
- 治療の要点
- 有効抗真菌薬を長期間投与
- 例:フルコナゾール 200〜400mg 3〜6ヶ月
- 重症例、髄膜炎例では大量に
- 薬剤耐性は少ない
- 有効抗真菌薬を長期間投与
2009年11月09日 19時25分 改訂
バイオテロが疑われる状況と対応