詳細ー炭疽

病原体の特徴
炭疽の起炎病原体は炭疽菌(Bacillus anthracis)である。炭疽菌は好気性のグラム陽性桿菌で、芽胞を形成する。感染動物内では単独か短い連鎖を形成するが、人工培地で培養した場合、長い連鎖を形成する。炭疽菌は大気中で数時間内に芽胞を形成し、熱、化学物質、pH、紫外線などに抵抗性を示す。栄養型は一般的な人工培地によく発育するが、他のBacillus属の栄養型より比較的死滅し易い。

炭疽菌はグラム陽性桿菌で鞭毛を持たず運動性(-)である。長さ1〜8μm、幅1〜1.5μmの大型の細菌であり、芽胞の大きさも1 μm 程度である。芽胞は臨床検査で通常用いられるものであればどのような培地でも37°Cで発育する。菌は竹竿をつないだような形状を示し、巻毛様のコロニーを形成し羊血液寒天培地では溶血は示さない。

炭疽菌は生体内に侵入しても,その莢膜によりマクロファージなどの貪食に抵抗性を示す.また芽胞が発芽して増殖を始めると種々の毒素を産生し,それによって出血,浮腫,および壊死などを引き起こす.その反応は速やかであり病態は急速に進展しやすい。

本来、炭疽は家畜に起こる疾患で、人畜共通感染症である。ヒトには一般的に家畜や土壌中の菌を介して感染するが、皮膚になんらかの傷があってその部位から炭疽菌が侵入して感染する頻度が高い。患者の多くは家畜あるいはその加工品などを扱う職種で、炭疽に罹患した動物を扱って感染することが多い。

自然感染としての炭疽は世界的に分布がみられる。わが国では1965年に炭疽の集団発生がみられたが、それ以降は年間あるいは数年に1例程度の極めてまれな疾患となっている。旧ソビエト連邦では生物兵器として炭疽菌の研究を行っていた事実が明らかになっている.米国では2001年に炭疽菌を郵便物で送る事件が発生し数名が死亡した。米国CDCは,生物兵器に使用される可能性のある微生物の中で,炭疽菌を最も危険度の高いカテゴリーAに分類している。なお、わが国では炭疽は感染症法で4類感染症に分類されている。炭疽菌は本菌が持つさまざまな特徴から,バイオテロに利用されやすい菌としてきわめて重要である。

主な臨床像

炭疽は1)皮膚炭疽、2)吸入炭疽(肺炭疽)、および3)腸炭疽の3種類に大きく分類され、それぞれ感染経路が異なっている。自然感染の場合、皮膚炭疽が最も多く発生しているが、2001年のアメリカにおけるバイオテロでは皮膚炭疽とともに吸入炭疽(肺炭疽)が高率に発生している。なおこれら3種類の炭疽以外にも、まれに炭疽菌性髄膜炎もみられる。炭疽菌性髄膜炎は炭疽発症から数日以内に突然,髄膜炎症状で発症し,急激な意識障害が起こり高い頻度で死亡する.

潜伏期は感染経路や感染菌量によって大きく影響されるが、一般的に皮膚炭疽と腸炭疽の場合、通常1〜7 日とされている。吸入炭疽(肺炭疽)は感染後2日程度で発症する例もみられるが、最長の潜伏期は60日という報告もある。

  • 皮膚炭疽
    • 虫刺され様の初期病変
    • 無痛性の非化膿性の悪性膿疱の出現
    • 所属リンパ管炎やリンパ節炎
  • 吸入炭疽(肺炭疽)
    • 感冒様症状で初発
    • 頭痛,筋肉痛,悪寒,発熱,胸痛
    • 呼吸困難,チアノーゼ
    • 失見当識、譫妄,意識障害1)
  • 腸炭疽
    • 吐気,嘔吐,腹痛,発熱などで発症
    • 吐血,血便,激しい下痢
    • 咽頭炎,嚥下障害,頸部リンパ節炎2)

    1) 吸入炭疽(肺炭疽)の約半数の症例は出血性の髄膜炎を合併する.
    2) 口咽頭部感染の場合

皮膚炭疽

初期には菌の侵入部位に虫刺されに似た限局性の隆起性病変ができる。数日後には無痛性で非化膿性の悪性膿胞が出現し、中央部が壊死を起こして時間の経過とともに黒色に変化し、皮膚炭疽に特徴的な病変を形成する。もともと皮膚に擦り傷などの傷口があるとより感染しやすく、感染部位としては頭部、前腕あるいは手などの頻度が高い。なお感染局所の病変以外に感染部位の所属リンパ管炎やリンパ節炎を合併する場合が多い。

吸入炭疽(肺炭疽)

最初は微熱、倦怠感などの感冒用症状が数日間続き、さらに頭痛、筋肉痛、悪寒、および胸痛が起きる。その後、一見回復したようにみえる症例もあるが、それ以外の例はそのまま急激に劇症的に進展し、重症例では、呼吸困難、チアノーゼ、胸水などを伴い、さらにショックや昏睡を伴う失見当識に進展する。X線像では縦隔部位の感染を伴い、高度なリンパ節腫脹に伴って急激に縦隔が拡大している所見が認められる。炭疽菌性髄膜炎を合併すると急激な意識障害が起こり重篤な状態になりやすい。なお動物を用いた基礎的な実験結果をもとに、50%致死率(LD50)は1人のヒトが2500〜 55000個の芽胞を吸い込む量に相当すると考えられている。

腸炭疽

腸管感染では汚染された食品を接種後に嘔気、嘔吐、腹痛、発熱などで発症する。さらに炭疽菌から放出された毒素が出血性壊死を起こし、吐血、血便などを伴い、下痢も高度になる。口咽頭部感染では咽頭炎、嚥下障害、発熱を訴え、頸部のリンパ節炎が起きる。


▲TOP

臨床検査所見

血液生化学検査

  • 血算では一般的に白血球数は増加し、しばしば好中球と桿状核球の増加がみられる。ただし病初期や軽症例では白血球数の増加を認めない場合もある。
  • 生化学的検査ではAST(GOT), ALT(GPT)の上昇を認める。

画像検査その他

  • 吸入炭疽(肺炭疽)は市中肺炎やインフルエンザ等の急性呼吸器感染症との鑑別が重要だが困難なことが多い。吸入炭疽(肺炭疽)では低酸素血症をしばしば伴い、胸部X線にて胸水の存在と高度なリンパ節腫脹を伴う縦隔の拡大が特徴的であり,さらに肺水腫および肺出血を伴うことがある.また、呼吸困難、嘔気、嘔吐、意識障害、チアノーゼ、ヘマトクリット45%以上への上昇も特徴的である。


▲TOP

確定診断

炭疽は発病当初の症状は非特異的であり,臨床症状をもとにした早期の診断は困難である.ただし家畜を扱う職業に従事している人などリスクが高い人を除けば,現在国内において炭疽菌による感染症,特に吸入炭疽(肺炭疽)を発症することは極めてまれと考えられる.そのため吸入炭疽(肺炭疽)のような症例に遭遇した場合にはバイオテロを想定して他に類似した症状を有する患者が発生していないかどうか確認する必要がある.

検体の採取、輸送、保存など

炭疽の確定診断は炭疽菌の培養ならびに同定によってなされる。 培養のための検体として、悪性膿胞、痂皮、喀痰、リンパ節、腹水、脳脊髄液または血液などを採取する。炭疽では比較的高率に菌血症あるいは敗血症を伴いやすいので、原則的に血液培養を施行する。また炭疽菌に敗血症を合併した場合、血中菌数が多い傾向があるため、血液の直接塗抹染色による菌の確認が重要である。また、肺炭疽の場合、鼻腔内を綿棒等でぬぐい、直接ヒツジ血液寒天平板に塗抹することにより菌体を検出可能な場合もある。

検体の保存は通常の細菌検査方法と同じであるが、血液を用いた直接染色には抗凝固剤入りの採血管などを用いて検体を保存する必要がある。また、検体の輸送には周囲への汚染を防ぐことが重要で、具体的な輸送方法は下記の資料などを参考にするべきである。
世界保健機関(WHO)、感染性物質の輸送規則に関するガイダンス 2009-2010 (国立感染症研究所 翻訳・監修)
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/69899/2/WHO_HSE_EPR_2008.10_jpn.pdf

  1. 皮膚炭疽
    • 病変部位(滅菌綿棒で採取)1)
  2. 吸入炭疽(肺炭疽)
    • 喀痰(一般の喀痰容器に採取)
    • 鼻腔ぬぐい(保菌の可能性がある場合)
  3. 腸炭疽
    • 糞便

    1) 水疱の場合は穿刺し,痂皮の場合は端の部分から滅菌綿棒を押し込んで回す
    ※原則的にいずれの場合も血液培養を併用。
    ※髄膜炭疽が疑われる症例では髄液および血液培養を行う。
    ※血液の直接塗抹染色用には抗凝固剤入りの採血管で末梢血を採取する。

微生物学的検査法

国立感染症研究所のウェブサイトにて病原体マニュアルが公開されている。

  1. 塗抹染色
    炭疽菌は前述のようにグラム染色によってグラム陽性、竹の節に似た形状を示す大型の桿菌が連鎖を形成してみられることが多い。その形態学的特徴から、グラム染色のみでも充分炭疽菌の推定が可能であり、特に生体サンプルからグラム陽性大桿菌が検出された場合は、炭疽菌を考慮に入れて慎重に検査を行う必要がある。炭疽では菌血症時に多数の菌が血中に存在しやすい傾向にあることから、血液の直接塗抹標本をグラム染色で観察することが重要である。鼻腔ぬぐいや環境材料、古い生体材料などからは卵円型で偏在性を示す芽胞が芽胞染色またはグラム染色で観察できるが、一般的に新鮮な生体材料からは莢膜形成を伴う菌体が観察できる。莢膜は生体内で形成されやすいので、患者検体(血液、髄液など)を用いるのがよい。莢膜の確認には墨汁染色が簡単である。また、培養菌を用い莢膜が不明な場合は、5〜20%炭酸ガス培養を重曹添加倍地で行えば、莢膜形成を伴う菌が得られる。莢膜の染色法としてレピーゲル染色やメチレンブルー染色がある.レピーゲル染色は臓器スタンプ標本,あるいは塗抹標本を乾燥後,染色液(ゲンチアナバイオレット 10g+局方ホルマリン 100 mlを混和ろ過)を載せ20〜30秒間染色し,その後水洗して鏡検する.この染色法によって菌体は紫色、莢膜はその周囲に淡紫色に観察される(図参照).メチレンブルー染色では標本を乾燥・固定後、染色液(レフレルのアルカリ性メチレンブルー液:メチレンブルー原液[5gを純アルコール100 mlに溶解]30 ml+0.01%水酸化カリウム溶液100 ml)を載せ数秒間,染色.水洗後に鏡検する.この染色により菌体は青色、莢膜は淡青色に染まる(図参照).ただし染色時間が長いと菌体・莢膜が識別できなくなる。
    グラム染色性、形状が炭疽菌に一致し、厚い明瞭な莢膜が認められれば炭疽菌の可能性は極めて強い。
  2. 培養・同定
    通常、炭疽菌はヒツジ血液寒天培地など一般的な細菌培養の用培地に良好に発育する。ただし菌数が少ない場合も想定して増菌培養も実施しておいた方が検出の感度が高まる。また常在菌が混入しやすい検体を用いる場合は、選択培地の併用が可能であるが、炭疽菌の増殖も抑制されてしまうことを念頭に入れるべきである。培養は通常、35〜37℃、18 時間程度、好気培養を行うが、通常半日程度で集落形成を観察できる場合もある。炭疽菌をヒツジ血液寒天培地で35〜37℃、15〜24 時間培養すると、径2〜5mm、 辺緑が不規則で光沢がない集落が観察される。その辺縁にMedusa head(縮毛状)と表現されるコンマ状の突起が観察される。炭疽菌はβ溶血を示さないので、他の多くのBacillus 属の菌と鑑別できる。また、重曹添加普通寒天上で、5〜20%炭酸ガス培養を行うと、莢膜形成を伴う、光沢のある粘稠な集落が観察される。
    γ-ファージは特異的に炭疽菌を溶菌するため、均一に炭疽菌を塗抹した培地上にファージ液をスポットすると、その部位のみに丸く抜けた溶菌が認められる(γ-ファージテスト)。炭疽菌はバイオテロ用に薬剤耐性が付加されていなければペニシリンに感受性のため、ベンジルペニシリンを0.05単位/ml および0.5単位/ml含有した寒天平板に炭疽菌を接種して2〜4時間培養し、平板の一部をスライドグラスに取ってカバーグラスをかけて鏡検すると、プロトプラストとなって真珠状に見える菌体が観察される(パールテスト)。患者検体に生理食塩液を加えて乳鉢ですりつぶし、30分間沸騰水中で加熱し遠心後、上清をミリポアーフィルターで濾過する。この抗原と抗炭疽血清を毛細管の中で重層し数分以内に白濁沈降体が生ずれば陽性と判定できる. この反応はアスコリの熱沈降反応と呼ばれ,炭疽菌の莢膜成分である耐熱性グルタミン酸ポリペプチドを抽出し、抗血清との沈降反応をみるものである.(図参照)
    上記の炭疽菌の細菌学的特徴については、テロ以外で発生する炭疽の際の特徴を述べたものである。それゆえテロ用に人工的に加工されて一部異なる性状を示す炭疽菌が使用される可能性もあることから、検査の段階で上記と異なる結果が得られても,安易に炭疽菌の可能性を否定することは、炭疽を見逃してしまう危険を伴う点にも留意すべきである。
  3. PCR
    上記の炭疽菌の培養・同定法はそれぞれ有用な方法であるが、アスコリの熱沈降反応を除くとあまり迅速性はない。またアスコリの熱沈降反応を行うには、抗炭疽血清を入手しておく必要がある。そのため迅速性に優れたPCR法は炭疽菌の検出に有用な検査と考えられている。炭疽菌検出のためのPCRのターゲットとしては毒素遺伝子または莢膜遺伝子が用いられており、毒素遺伝子(pagA, lef, および cya)は182-kbの病原性プラスミド(pXO1)にコードされ、一方、莢膜遺伝子 (capB, capC, および capA) は96-kbの病原性プラスミド(pXO2)にコードされている。しかしながらこれらプラスミドを欠失した炭疽菌の報告もあり、染色体上のvrrA あるいは Ba813遺伝子をターゲットとしたPCRも検討されている。ただしvrrA あるいは Ba813遺伝子は炭疽菌に特異的とは言えないことから偽陽性を起こす可能性も指摘されている。染色体上のrpoB遺伝子はこれまでの報告によると非炭疽菌175株中1株のみしか陽性と判定されなかったことから、特異性の高いPCRのターゲットと考えられている。
    PCRは偽陽性を起こしやすいのでコンタミネーションを防ぐことが重要であり、陰性対照として蒸留水のみ、およびB. cereusを用いる。また偽陰性の反応を判定するために陽性対照として既に同定済みの炭疽菌を用いる。最終的な結果の判定にはこれらの結果を総合して判断する必要がある。従来のPCRは遺伝子増幅産物の電気泳動による確認が必要とされたが、近年、電気泳動が不要で迅速性と優れたリアルタイムPCRがさまざまな状況で利用されるようになってきた。この方法は高感度で、増幅と検出が同時にできるため迅速性にも優れており、定量も可能なことから、炭疽菌の検出・同定に適していると考えられている。

治療

薬物療法(抗菌薬療法)

  1. 炭疽(吸入、腸、皮膚)
    大規模発生時には静脈内投与は選択されず、経口投与が推奨されるべきである。その他の場合には患者の状態が改善された時に経口投与に変更すべきである。さらに、体内移行が優れている薬剤(シプロフロキサシン,ドキシサイクリン)は初回から経口投与を選択可能である。
  2. 皮膚炭疽
    非重症例では自然治癒率が高いことが報告されているため、上記薬剤を同量7〜10日間経口投与する。吸入炭疽が否定できない場合は60日間予防内服を行う。全身症状、重度の局所浮腫あるいは創傷を伴う、より重症な例では併用療法を行う。

その他治療上の留意点

特に吸入炭疽(肺炭疽)では急激に病状が進展し重篤な状態に陥りやすいため、有効とされる抗菌薬を早期から大量に投与することが重要である。初期の治療にはシプロフロキサシンが推奨されているが、他のニューキノロン系抗菌薬も有効と考えられている。炭疽菌には通常ペニシリンが有効とされているが、バイオテロ用にペニシリン等に対する耐性が付加された菌に対しては無効なため、薬剤感受性試験の結果に基づいて、分離された炭疽菌が感性を示すことが証明されればニューキノロン系抗菌薬に代わる薬剤としてペニシリンやドキシサイクリン、クリンダマイシンを使用することも可能である。たとえ有効とされる抗菌薬が選択された場合でも、病状の進行に伴って、脱水、呼吸不全、ショックなどに陥りやすいため、補液、酸素吸入、昇圧剤など全身管理を含めた治療も必要である。


▲TOP

ワクチン

莢膜非産生、毒素産生株の濾過減菌培養上清がワクチンとして一般的である。現在日本ではヒト用のワクチン接種は行われていない。AVA (anthrax vaccine adsorbed)またはBio Thraxとよばれるヒト用ワクチンが米国で製造されている。接種方法は2週間ごとに3回皮下注後、その後半年ごとに皮下注、さらに1年ごとに追加免疫を行う。過敏反応、紅斑、圧痛、浮腫、痒みなどの副作用がある。AVA成分は毒素産生、莢膜欠損弱毒株 (V770-NP-1-R, Sterne strain)の培養上清を水酸化アルミニウム吸着ホルマリン処理したもので、protective antigen (PA) protein PAに対するIgG抗体が産生され、毒素の中和抗体として働く。PAレセプターと結合するドメイン4、またはedema factor (EF)とletahl factor(LF)に結合するドメイン1a.を認識する抗体が重要である。 EF、LFに対する抗体は有効でなく、また莢膜(poly-g-linkedD-glutamic acid (PGA)に対する抗体はマウスでは有効である。レコンビナントPA、DNAワクチン開発や抗体の開発が進められている。

モノクローナル抗体

米国ではRaxibacumabおよびObiltoxaximabの2種類のモノクローナル抗体が吸入炭疽に対する曝露後予防として承認されている。


▲TOP

バイオハザード対策

患者の隔離

空気感染によるヒト−ヒト感染は起こりにくいため陰圧環境などによる患者の個室管理は必ずしも必要としない。しかし皮膚炭疽では病巣への接触によってスタッフや他の患者へ感染する場合がある。

検体、菌、汚染器材等の取り扱い

汚染した可能性がある器具などは、高圧蒸気滅菌用耐熱性袋に入れ、なるべく速やかにオートクレーブで滅菌する。


▲TOP

感染症法における取り扱い

炭疽は感染症法にて4類感染症に分類されており、診断後直ちに最寄りの保健所に届出を行う義務がある。届出の基準を要約すると、診断した医師の判断により症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、菌の分離・同定等によって病原体診断がなされたもの、となる。


▲TOP

参考文献

  1. WHO:Guidelines for the surveillance and control of anthrax in humans and animals.
  2. 日本臨床微生物学会,日本臨床衛生検査技師会,日本臨床検査医学会編:炭疽菌検査マニュアル(Ver.1)2001
  3. 牧野壮一 日医雑誌 126: 1562-1564, 2001
  4. Inglesby et al. Anthrax as a Biological Weapon, Medical and Public Health Management, JAMA, 281:1735-1745, 1999.
  5. Theodore J. et al: Clinical and Epidemiologic Principles of Anthrax, Emerging Infectious Diseases, 5: 552-555, 1999.
  6. Turnbull PCB, Logan NA. Bacillus and Recently Derived Genera. In:Murray PR, Boron EJ, Pfaller MA, Tenover FC, Yolken RH, eds. Manual of Clinical Microbiology 7th ed. Washington DC:American Society for Microbiology; 1999:357-369.
  7. Sneath PHA: Endospore-forming gram-positive rods and cocci. Bergey’s Manual of Systematic Bacteriology (Vol. 2)Williams & Wilkins, Baltimore,1986: 1104-1141
  8. Meselson M, Guillemin J, Hugh-Jones M, et al. The Sverdlosk anthrax outbreak of 1979. Science 1994; 22:1202-1208.
  9. Pile JC, Malone JD, Eitzen EM, Friedlander AM. Anthrax as potential biological warfare agent. Arch Intern Med. 1998; 158:429-434.
  10. 長崎大学医学部附属病院生物・化学テロ対策医療チーム編:炭疽患者(疑い患者含む)への対応について, 2001
  11. Oggioni MR et al.: Protocol for Real-Time PCR Identification of Anthrax Spores from Nasal Swabs after Broth Enrichment, J Clin Microbiol, 40: 3956-3963, 2002
  12. Franz DR, Jahrling PB, Friedlander A, etal Clinical recognition and management of patients exposed to biological warfare agents.

▲TOP

2018年3月 改訂
                     2018年11月 一部の語句を修正