13.コクシジオイデス症 – Coccidioidomycosis

サマリー

  1.  病原体の特徴
    • 起炎病原体:Coccidioides immitis
    • 二形性真菌
    • 培養すると感染の危険が大きい→培養禁忌
  2. 分類と潜伏期間
    • 肺感染や全身感染
    • 潜伏期:1~4週間(既感染の再燃あり)
  3. 感染経路
    • 経気道的
    • 実験室、検査室内での感染事故が多い
  4. 臨床症状
    • 感冒様症状
      • 咳嗽、喀痰
      • 発汗、発熱
      • 頭痛
      • 呼吸困難、胸痛
    • 体重減少
    • 疲労感
    • 食欲不振
    • 関節痛
    • 結節性紅斑、多形滲出性紅斑
  5. 検体の種類および採取法
    • 検体の種類
      • 培養は危険性が高いため原則的に禁忌
      • 抗体測定、病理組織学的検査が優れている
      • 生検は肺、皮膚病変など
    • 抗体検査を目的に、血清あるいは髄液採取
    • 病理検査を目的にTBLB, VATS,皮膚生検など
  6. 検体の輸送法
    • 菌は輸送不可
    • 血清は冷凍で輸送
    • 病理組織は常温で輸送
    • 培養を目的とする検体は冷蔵で輸送(特殊な場合のみ可)
  7. 微生物学的検査法
    • 塗抹染色(Grocott染色など)
      • 特徴的な球状体を確認(micropsheruleなどと要鑑別)
      • 30-37℃培養で特徴のない糸状菌の発育を見るが感染力強く危険→培養不可。培養してしまったらそのまま直ちに滅菌
      • 血清抗体価検査
  8. 治療の要点
    • 有効抗真菌薬を長期間投与
      • 例:フルコナゾール 200〜400mg 3〜6ヶ月
      • 重症例、髄膜炎例では大量に
    • 薬剤耐性は少ない

2009年11月09日 19時25分 改訂

 バイオテロが疑われる状況と対応


chart_200912170817112009年11月05日 15時56分 改訂