サマリー
- 病原体の特徴
- 起炎病原体:ブルセラ属菌(Brucella melitensis, B.suis, B.abortus, B.canis)
偏性好気性短小桿菌 - 感染症法:4類感染症、3種特定病原体
- 家畜伝染病予防法:家畜伝染病(B. melitensis, B. suis, B. abortus, B. ovis)
- 起炎病原体:ブルセラ属菌(Brucella melitensis, B.suis, B.abortus, B.canis)
- 分類と潜伏期間
- 全身感染
- 潜伏期:1~3週間、時に数ヶ月
- 感染経路
- 経口(特に加熱不十分な乳・乳製品)
- 接触感染(感染動物の流産時汚物等)
- 吸入感染(粉塵等)
- 検査室・実験室内感染
- ヒトーヒト感染(非常に稀だが性交や授乳感染例)
- 臨床症状-感冒・インフルエンザ用
- 倦怠感
- 発熱(間欠熱・波状熱)
- 発汗
- 関節痛・背部痛
- 悪寒
- 頭痛
- 体重減少
- 脾腫、肝腫大
- その他の局所症状として-腸腰筋膿瘍、肺炎、髄膜炎、中枢神経症状、心内膜炎、精巣上体炎(男性)
- 検体の種類および採取法
- 血液、脳脊髄液
- 骨髄、リンパ節
- 検体採取-無菌的に。発熱時、抗菌薬投与前が望ましい
- 検体の輸送法
- 血液、髄液はカルチャーボトルで常温または冷蔵で輸送
- 組織材料、血清は冷蔵または冷凍で輸送
- 微生物学的検査法
- 塗抹染色(グラム染色)
- グラム陰性短桿菌(球菌様にも観察できる)
- 増菌培養が必要
- 37℃、通常培養および炭酸ガス培養(B.abortus)で最低21日間。適宜、サブカルチャー。
- 初期は芥子粒をまいた様、3日以上で1~1.5ミリ程度
- 塗抹染色(グラム染色)
- 抗体検査
- 試験管凝集反応-民間臨床検査機関で保険適応
- 治療の要点
- 有効抗菌薬の長期間投与
- 単剤投与は再発率が高いため、2剤もしくは3剤併用
- リファンピシンに対する耐性報告あり
2009年11月10日 12時58分 改訂
2018年11月 改訂
バイオテロが疑われる状況と対応
2018年11月 改訂